名画・絵画のポストカード:(2)フォーヴィズム、エコール・ド・パリ

1枚176円(税込み)
フォーヴィスム」と「野獣派」は同じ芸術運動を指す言葉です。これらは20世紀初頭にフランス・パリで展開された、絵画のスタイルに関する運動です。一方、「エコールド・ド・パリ」(パリ派)は、特定のスタイルではなく、地理的な場所と時期によって集まった芸術家グループを指します。

<フォーヴィスム(Fauvism)/ 野獣派>
この運動は、1905年のサロン・ドートンヌで、彼らの作品を見た評論家が彼らを「フォーヴ(Fauves)」、つまり「野獣」と呼んだことに由来します。
時期: 1905年頃から数年間
中心地: フランス、パリ

主な特徴:

強烈な色彩: 従来の絵画の色使いの常識を打ち破り、チューブから出したままのような原色や補色を大胆に使用しました。感情表現や装飾的な効果を重視し、モチーフの固有色(実際の物の色)にとらわれず自由に色を用いました。
奔放な筆致: 筆のタッチが荒く、力強く、速い。
主な画家: アンリ・マティス(指導者的な存在)、アンドレ・ドラン、モーリス・ド・ヴラマンクなど。

目的: 印象派の光の表現や、それまでの伝統的な美術の枠組みから脱却し、色彩の持つ力と感情の直接的な表現を追求しました。

<エコール・ド・パリ(École de Paris)/ パリ派>
これは特定の様式や思想に基づく運動ではなく、第一次世界大戦を挟む20世紀初頭に、パリのモンパルナス地区に集まり活動した、主にフランス国外出身の画家たちの集団を指す、後世の美術史家による呼称です。

時期: 主に1910年代から1930年代頃

中心地: フランス、パリ(特にモンパルナス)

主な特徴:

多様性: 出身国や文化的背景が異なるため、特定の統一された様式はありません。個々の画家の個性と民族性が強く反映された作品が多いです。
孤独や憂愁の表現: パリで生活する異邦人としての不安や孤独感、社会の憂愁を背景とした作品が多く見られます。

主な画家:

アメデオ・モディリアーニ(イタリア出身)
マルク・シャガール(ロシア出身)
藤田嗣治(日本出身)
シャイム・スーティン(リトアニア出身)
マリー・ローランサン(フランス出身だがこのグループに含められることが多い)

※フォーヴィスムは明確な様式を持つ短期間の運動であったのに対し、エコールド・ド・パリは地理的な括りと多様な個性を特徴とする比較的長い期間の現象

表示方法: 写真のみ一覧説明付き一覧

129